CGT (「読者の手紙」欄より)


マルセル・クロックフェール(Marcel Croquefer)

CGT代表委員

訳:生野雄一


 フランス労働総同盟CGTの代表委員のマルセル・クロックフェール氏が、本紙5月号掲載のジャン=ミシェル・デュメ氏の記事「“黄色いベスト”時代のCGT」に関して意見表明の希望があった。以下はその内容である。[日本語版編集部]

(仏語版2019年6月号より)


 CGTの方針や組織のあり方に関する討議を行うのは当然のことだ。そこでの議論は何よりもCGT組合員のものだ。この記事の多くの展開には賛同できるものの、毎日、現場で、労働者、雇用、要求を守るために経営者と対決している数多くの組合員に関する考慮があまりにも足りない。しかも彼らは、実際にあるいはそこそこに成功を収めている。まず、まさにこれがCGTなのだ!

 一般大衆には彼らの活動がまったく知られていないことは認めざるを得ない。ほぼすべてのメディアはその活動を一顧だにしない! こうした状況のなかでは、CGTが時代遅れの単なる一組織に過ぎないと見なされるのは当然だ。

 一例を挙げよう。ダンケルク地区連合の活動家たちは、9カ月以上にわたって、EU加盟国出身の1,000人ほどの外国人派遣労働者を雇用しているフランス最大の造船所の1つ(ダンケルクLNGタンカー・ターミナル)で、行動を起こしている。毎朝続けて、国民戦線の人種差別的な行動を阻み労働者の連帯で対抗するために、いくつもの言語で書かれた数多くのビラを配っている。そのために、造船所に辿り着くのがいつも遅れる。

 組合による圧力は段階的なもので、熟慮され、組織立ったものだ。いくつもの同盟、県連合、地区連合およびCGTから集まった何百人もの活動家たちが、経営者や県がこれまで組合に立ち入りを拒んできたまさにその場所において集会を開いている。いずれ、使用者側との間で、これまで認められてこられなかった造船所での組合の常駐に関する合意が締結されて、それによって労働者の諸権利(労働条件、賃金、死傷事故……)の回復および補償に関する活動を起こせるようになるだろう。外国人派遣労働に頼る際の手続きが全部変更されるに至った。今や、"外国人派遣労働者のいない造船所"は、現地の経営者が強調する謳い文句となった。

 これらのすべてに関して、『ル・モンド・ディプロ』以外は、どのマスコミも一言も言及がない。組合活動をけなすかまたもやCGTを時代遅れだという以外には!

 他にも例はいくらでもある。いつもこうなのだ! マスコミは経営者側の意のままだ。彼らは意識的に現場のサンディカリズム、とりわけ闘うサンディカリズムを無視する。ストを報道することはあっても、その結果についてはまったく触れない。その代り、陰に陽に常にあらゆる機会をとらえて、サンディカリズム、とりわけCGTに対する批判を繰り返す。

 私は、『ル・モンド・ディプロ』とジャン=ミシェル・デュメ──私は彼と話すことができたことをありがたく思う──は、この現場のCGTが、さまざまな困難や非常に大きくなった圧力に直面し、活動資金が少なくなったにもかかわらず、我慢強く、自分なりに闘っているのをもっと強調してくれるものと思っていた。組合運動が孤立から脱し、自らの力を自覚し、黄色であれ、赤であれ、またその両方の色のベストであれ、みながそれを着てともに闘う同盟に加わるためには、体制の手先ではない、メディアとしての透明性が何よりも求められている。



(ル・モンド・ディプロマティーク仏語版2019年6月号より)