『ル・モンド・ディプロマティーク』 日本語・電子版

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記事一覧

    (日本語版2019年10月号)

  • 🆕公衆向け医療ウェブサイト、ドクティッシモの登場  ―― 女性ユーザーは情報の宝庫
    ソフィー・ユスターシュ
    フランスでは、2000年代初頭、公衆向け医療ウェブサイト、ドクティッシモが出現した。それにより、医療情報が大衆化され、患者は医師への依存から解放されることになった。同サイトのヘビーユーザーは大多数が女性であり、ネットを使いこなす女性ユーザーたちが健康のために進んで提供するプライベート情報は、綿密に分析され…


  • 🆕自由貿易か環境か(仏語版7月号論説)
    セルジュ・アリミ
    欧州議会選挙で10パーセントの議席を獲得した欧州緑の党は、彼らの運動の政治的立ち位置をめぐる古めかしい議論を再燃させた。この党は、その同盟者の多くが示唆するように左派なのか、それとも環境派のかつてのリーダーたちがマクロン氏と手を組んだことから明らかなようにネオリベラル派なのか?


  • 🆕アガデスの罠にかかった移民たち  ―― EU指令が混乱させたニジェールの町
    レミ・カラヨル
    サハラ砂漠の南部に位置する世界文化遺産の町アガデス。14世紀以前よりサブサハラアフリカから北アフリカや地中海への人口移動をコントロールする要所として栄えてきた。ところが2015年、北上する移民を堰き止めたいEUはニジェール政府に圧力をかけ、それまで容認されていた移民援助が違法に。

  • 🆕民兵のパラダイス  ―― アガデスの罠にかかった移民たち
    レミ・カラヨル
    「今はもう移民は見かけなくなりました。でも彼らは今も存在していますよ」。「オルタナティブ市民スペース協会」の事務所で、アガデス地区コーディネーターのナナ・エコイエさんは移民の輸送を違法化した2015-36法の影響を嘆く。「彼らはもともと暴力の被害を受けていましたが、今や…


    (日本語版2019年9月号)

  • 🆕この世の終わりは来ない  ―― 書店に溢れる終末論
    ジャン=バティスト・マレ
    人類による環境破壊が進み、やがて地球上の生活圏が崩壊するという言説が溢れている。自然対人間という単純な対立関係を立てて人類一般を批判する。しかし、ことはそういう抽象的な善悪論ではなく、自然を費用のかからない資源として利用しつつ…


  • 🆕インターネットなしではもう生きられない?  ―― 「完全デジタル化」が置き去りにした数百万人
    ジュリアン・ブリゴ
    世界は完全デジタル化に向かっている。近い将来、人々は乗り物に乗るにも買い物をするにも、税金を払うにも、スマホでスキャンしたりインターネットを使うしか方法がなくなるのだろうか? 大丈夫、みんな慣れて使いこなせるようになるさ、と推進派は言うが…


  • 星を! 夜空を取り戻す運動の意味するもの  ―― 動物、植物そして人間に与える夜間照明の光害
    ラズミク・クシェイアン
    人工光が都市を中心に地球全体に広がり、動植物世界全体、そして人間生活に及ぼす害が問題にされるようになっている。星空を取り戻すための運動や、人工照明を制限する動きもみられるが、光によって受ける恩恵と、その制限とをどう調和させ…


  • 「世界遺産」ラベルの功罪  ―― 観光資源の保護と活用の両立を目指して
    ジュヌヴィエーヴ・クラストル
    「世界遺産」は多くの観光客を惹きつけており、観光立国を目指すわが国においても世界遺産の登録に関するニュースは例年注目を集めている。観光資源としての世界遺産は大きな経済効果をもたらす一方、それが引き起こす弊害がにわかに表面化しているという…


  • 工業と自然の調和
    ジャン・ギャドレ
    私たちはこれまで長年にわたって、経済成長による生活水準の改善をめざして工業化を促進してきた。しかしここにきて、それがもたらす自然環境への過剰な負荷が無視し得なくなり、資源やエネルギーの節約が強く叫ばれている。工業化と自然の調和の糸口を探る。


  • 笑いのセラピーが労働者を救う?  ―― 自殺問題改善のためのリゴロジーの実践
    ジュリアン・ブリゴ
    トゥールーズ大学病院グループやフランス国鉄は、労働環境悪化による労働者の自殺問題に直面している。経営陣は、リゴロジーという“笑い”のセラピーによって、労働者の幸福度を高め、問題を解決しようとしているが、事態は改善していないようだ。


    (日本語版2019年8月号)

  • 経済改革論の「常識」に潜む5つの先入観
    ローラ・レム
    主に自由主義の考えに基づき、競争原理の活用や民営化による経済改革、また保護主義反対などの主張が当たり前のように行われている。しかし、たとえば本当に国家は非効率で、自由主義に任せることが国民経済にとって望ましいのだろうか。経済理論における5つの「常識」に疑問を投げかける。


  • 挑発のコツ(仏語版6月号論説)
    セルジュ・アリミ
    まっとうな理由もなく軍縮の国際協定を非難する国家が共同調印国を武力攻撃すると脅すことがありうるだろうか? その国が気まぐれかつ好戦的な態度で、同調するかさもなければ手ひどい制裁をうけることになると他国に要求することがありうるだろうか?


  • 検疫警戒線(仏語版4月号論説)
    セルジュ・アリミ
    この数十年間、極右が選挙に強いことが、左右のネオリベ派にとって保険の役割を果たしてきた。すなわちいかなる石頭の中道派であっても、受け入れがたく、付き合いきれず、息苦しい極右政党にひとたび反対を表明すれば、難なく当選することができた。


  • さまよえる都市計画  ―― 施主の役割を放棄するフランス行政当局
    ピエール・パストラル
    フランスは、伝統的に都市計画と都市の整備管理に行政が深く関与してきたが、民営化等の流れのなかでその伝統が失われつつある。一方で、中長期的な都市の管理は民間経営にはなじまない面が明らかになるなど、問題もみえてきている。


  • ヨーロッパのナショナリストは自分たちのヒーローを見つけた  ―― マッテオ・サルヴィーニはどうやってイタリアを征服したか
    マッテオ・プッチャレッリ
    反EU、反移民を掲げるイタリアの政党「同盟」(Lega)は、先の欧州議会選挙(2019年5月)でも躍進が目覚ましい。その指導者マッテオ・サルヴィーニ氏は、今の連立政権副首相の座にとどまらず、ヨーロッパ主要国で最も政権に近い右翼ポピュリストと言われ、ヨーロッパ政界の台風の目となっている。この新しいカリスマ的な指導者の躍進の秘密と可能性を探る。


  • 民営化、終わりなき幻想
    マチアス・レイモン
    我が国でも水道法が改正され、水道事業へフランスの民間企業が参入してきたことは記憶に新しいが、フランス本国やイギリスでも、公共サービスの民営化が数多く行われてきた。コンセッション方式といわれる運営権を民間企業に売却するシステムを採用しているが、その実態はどのようなものだろうか…


    (日本語版2019年7月号)

  • “黄色いベスト”時代のCGT  ―― 大会前夜のCGT内部での議論
    ジャン=ミシェル・デュメ
    フランス労働総同盟(CGT)の第52回大会が5月13~17日にディジョンで開催された。“黄色いベスト”運動に社会的抗議の主導権を奪われて動揺し、従業員代表者選挙では勢いを失って、運動の総括および明確な路線や活動方針を打ち出せないでいる。関係者のインタビューを通じてCGTの立ち位置を明らかにする。


  • 🆕CGT(「読者の手紙」欄より)
    マルセル・クロックフェール
    フランス労働総同盟CGTの代表委員のマルセル・クロックフェール氏から、ジャン=ミシェル・デュメ氏の記事「“黄色いベスト”時代のCGT」に関して意見表明の希望があった。同記事と合わせて掲載する。


  • 🆕アメリカの民主社会主義者たち  ―― 我々は闘いの火を消さなかったが、時勢とかみあわなかった
    バスカー・サンカラ
    アメリカの社会主義者運動は、5年前であれば信奉者をせいぜい中規模のホールに集めるくらいの存在でしかなかったのだが、今や全米規模の政治勢力に返り咲き、国内左派として掲げるべき課題を創生するまでになった道筋をたどる。


  • 良い中国人と悪い中国人  ―― 社会信用システムによる市民の採点
    ネ・ラファエル&リン・シー
    「社会信用」と呼ばれる個人の評価システムが中国で広がっている。公的なシステムもあれば、民間のシステムもある。様々な規模と形で展開するこの「社会信用」は、もともとはアメリカのシステム——債務返済を行う借り手を評価するためのもの——を模倣していた。しかし、中国ではその後…


  • クロアチア、大規模観光事業に悲鳴  ―― 島々の夏は人口過剰、冬は忘れ去られる
    ジャン=アルノー・デラン&ローラン・ジェスラン
    クロアチアには7千近くの島があり、そのうち50あまりには住人がいる。 これら“アドリア海の真珠”は、夏は観光客を引き付けてやまない一方、住民はいなくなりつつある。いくつかの大プロジェクトに苛立つ彼らは、国の発展政策である観光の単一産業化に異議を唱え始めた…


  • 大統領と〝戦争屋〟(仏語版3月号論説)
    セルジュ・アリミ
    「〝どん底だ〟と言っているうちは、まだ本当のどん底ではない」。最近、フランス外交がリア王のこの台詞を思い起こさせてくれた。フランソワ・オランド大統領の任期の終わりに皆はどん底に落ちたと思った。ある者は[マクロン大統領の]慢心が高ぶることを予言していた。


  • 分裂寸前のヨーロッパ帝国  ―― Brexitで一変する域内均衡
    ヴォルフガング・シュトレーク
    EUは、ドイツ、あるいはフランス・ドイツを中心に、自由主義、さらに現代では新自由主義を掲げる帝国であると評される。しかし、難民問題、Brexitなどを契機に右翼勢力を中心とした反ヨーロッパ主義が高まりを見せるなど、その結束が揺らいでいる。この自由主義の帝国の統治の仕組みはどのように構築され、どういう問題を抱えているのか。


    (日本語版2019年6月号)

  • 企業国家の時代  ―― 政治の非政治化
    ピエール・ミュソ
    欧米の選挙ではリベラル対ポピュリストというお決まりの見方が好まれる。フランスのエマニュエル・マクロン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領という2人の人物がこの対立構造を象徴している。ところが、この2人はしばしば大げさに報じられるような違いにもかかわらず…


  • ネットフリックスの儲け方
    ティボー・エネトン
    1997年に設立されたネットフリックス社は、小さな宅配レンタルDVD会社だった。現在では、190カ国に1億3900万人の契約者を有するネット動画配信プラットフォームとなり、無制限の視聴が可能で広告なし、個人の好みに合わせて作品を提供するサービスを行っている。いまや…


  • 弾圧激化の歴史:サンキュロットから“黄色いベスト”まで  ―― 秩序維持、フランスモデルのまやかし
    ヴァンサン・シゼール
    エマニュエル・マクロン大統領は3月に議会で可決された「反破壊分子」法を直ちに憲法院に審査のために付託すると決めた。3月16日のシャンゼリゼでの相次ぐ破壊行為を受けて、マクロン氏は軍隊に秩序維持の一端を担わせることも決めた。政権のこうした弾圧的態度の背景にあるフランス革命以来の…


  • 経済成長の陰で犠牲になったエチオピアの湖
    クリステル・ジェラン
    世界各地で水不足が深刻化しているが、エチオピアでは政府による外国人投資家や海外企業の誘致もこの問題に関係している。フランスの飲料メーカーやオランダの多国籍企業は現地で優遇され、水をはじめとするインフラを安く利用しているが、特に地元の湖に相当の影響が出ている…


    (日本語版2019年5月号)

  • 極左と極右はつながっている……。  ―― ある政治的常套句の起源
    コンスタンタン・ブリソー
    「極左と極右はつながっている」という政治を語るときの言い方は、各局面においてその意味合いに差はあるものの、古来、またフランス革命以降絶えず繰り返されている。現代の政治では「ポピュリズム」がこうした極端論として取り沙汰されるが、問題の本質をとらえた見方なのだろうか…


  • NAFTA 2.0で労働者が得たもの  ―― 自由貿易で損失を被った人たちを救済できるだろうか
    ロリ・M・ウォラック
    ドナルド・トランプ大統領は、NAFTAに代わる新たな通商条約を公約に掲げた。1年にわたる再交渉の末、できあがったNAFTA 2.0は、NAFTAを根底から刷新するものではない。懸念材料もあれば、2~3の社会的前進も含まれている。だが、中間選挙後の…


  • 世界的ベストセラー『サピエンス全史』を読み解く  ―― すべては虚構、でも売れ行きは堅調
    エヴリン・ピエイエ
    逸話と博学な細部によって肉付けされたユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』は、私たちの種の歴史について一般向けに書かれた魅力的な本であり、同時にこの歴史の意味について熟考もしていると謳っている。しかし、この教育書は科学的論拠に基づく考察とみせて…


  • 監視資本主義  ―― その歯ブラシはあなたのデータを収集している
    ショシャナ・ズボフ
    世界的なブームとなった「ポケモンGO」は、単なる娯楽のゲームではない。ショシャナ・ズボフ氏によれば、「監視資本主義のゲーム」だ。ユーザーは個人データを抜き取られ、それが新たな資本を生み出している。デジタル産業は利益を増やそうと…


    (日本語版2019年4月号)

  • 21世紀に復活するロシア宇宙主義
    ジュリエット・フォーレ
    ソヴィエト連邦崩壊後、新たな思想を模索していたロシアのエリートによって見出された「宇宙主義」。キリスト教・合理主義・不死の夢が一体となった19世紀の思想は、昨今再び注目され、新しい擁護者に権力を授けることとなった。一方、多くの芸術家にインスピレーションを与え…


  • 20年を経て、ユーロは今
    アントワーヌ・シュワルツ
    2019年5月の欧州議会議員選挙を前に、EUの再建、なかんずく通貨ユーロの再検討に関し議論が高まっている。「ユーロ危機」を経て緊縮財政を求める制度への不満もあり、ユーロからの離脱や現行制度の大幅改革、さらに新制度の創設…


  • 米国務長官による「汚い戦争」への回帰  ―― ベネズエラ問題担当特使の恐ろしい経歴
    エリック・アルターマン
    数年前からアメリカの新保守主義派であるエリオット・エイブラムス氏は、好んで賢者を自称している。外交の専門家である同氏は、しかし、中米での数々の違法行為や大量虐殺、中東での選挙工作に協力し、かつてイラン・コントラ事件の際には議会への情報開示を怠ったとして…


  • 商業系グランゼコールにおける知の幼稚化  ―― ビジネススクールの“実践的”教育 
    モーリス・ミデナ
    フランスの未来の経営者を養成する商業系グランゼコール。バカロレアを取得した学生たちは入学試験に受かるための準備クラスで2〜3年にわたって猛勉強するが、いざ入学すると、その講義の「空虚さ」に幻滅する者も少なくない…


  • バウハウス、形態の精神
    リオネル・リシャール
    統一されたデザイン住宅やモダンなプロダクト、古いものを打ち壊した革命的な活動により、その名が知られるバウハウスであるが、この学校が現在の美術教育の始まりとなり、その基礎を重視する教育法が受け継がれていることは、それほど知られていない… 


    (日本語版2019年3月号)

  • さあ、リサイクルしましょう!行動するのはあなたです  ―― 空缶回収に込められた業界の論理
    グレゴワール・シャマユー
    ゴミの分別収集はアメリカで、実は、空瓶の回収コスト負担を避けたい飲料品業界が推進してきた面がある。これは業界の社会的責任を消費者に転嫁するものであり、消費者は環境に対する大きな道徳的責任を負わされている。その論理はどのように組立てられているのだろうか。


  • 限られてきた英国の選択肢  ―― 離脱方法が膠着し、行き詰るBrexitへの途
    ポール・メイスン
    英国議会はEUからの離脱方法について再交渉を政府に求めて、それを最近過半数で決議したが、これをEUは許容することはできず、事態は袋小路の状態に入っている。保守・労働両党が内部で割れ、政党政治がそして議会の機能が危機にあるが、何より英国そのものが危機にある。 


  • ジュリアン・アサンジのために(仏語版12月号論説)
    セルジュ・アリミ
    さる11月16日、CNNのジム・アコスタ記者は、50人ほどの報道カメラに囲まれ、ペルシャの「もうひとりの博士」アルタバンのように誇らしげに笑みを浮かべ、鳴り物入りでホワイトハウスへの帰還を果たした。ホワイトハウス担当記者である彼は数日前に記者証を取り上げられたが、米国裁判所はトランプ大統領にこの仕打ちの取り消しを命じた。


    (日本語版2019年2月号)

  • 都市を滅ぼす方法  ―― 自然災害を利用したニューオーリンズのショック療法
    オリヴィエ・シラン
    2005年8月に大型ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ南東部を襲った。ルイジアナ州ニューオーリンズ市では防災インフラの不備等により陸地の大半が水没に遭い、2000人以上の死者が出た。市はこれを好機としてカトリーナ到来前から構想していたまちづくりに着手し… 


  • アメリカの親イスラエルロビー  ―― 禁じられたドキュメンタリー
    アラン・グレシュ
    カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」によって行われた調査は、イスラエルを支持するアメリカのロビー団体が行っている、スパイや脅迫といった恐ろしい手法を暴いた。しかし、サウジアラビアとの対立の中でロビー団体を敵に回したくないカタールは、このドキュメンタリーの放送を凍結… 


  • 揺れるカメルーン  ―― 暴動と弾圧が深刻化する英語圏
    クリスティーヌ・ホルツバウアー
    2016年の年末から、カメルーン英語圏の2つの州で、前例のない政治危機が進行している。英語圏の分離独立を訴えるグループが顕在化し、武装勢力と治安部隊の衝突が増加しているのだ。治安の悪化により英語圏の多くの有権者が投票できない状況で、2018年10月、30年以上にわたり同国の権力を握るポール・ビヤ氏が大統領に再選され… 


  • 学校の民営化、スウェーデンの大失敗
    ヴィオレット・ゴアラン
    「生徒と教員の関係は、顧客とサービス提供者の関係に変わりました」とストックホルム南郊の公立中学校の教員は話す。スウェーデンで1990年代に実行に移された学校の民営化は、様々な影響を及ぼしたようだ。 


  • 続・完「ピエール・ラビのシステム」
    ジャン=バティスト・マレ
    ジャン=バティスト・マレの調査記事「ピエール・ラビのシステム」は2018年8月に発表されると、数多くの反響を呼んだ。執筆者は、ラビ氏とその支持者から寄せられた批判に対して、調査などで得た事実を挙げながら反論しつつ、彼が発見したラビ像を描き出していく。 


  • 「ピエール・ラビのシステム」に反論する
    ピエール・ラビ
    ル・モンド・ディプロマティーク8月号のジャン=バティスト・マレの記事「ピエール・ラビのシステム」(日本語版ホームページ11月号に掲載)について、ラビ氏から次のような詳細な説明が寄せられている。 


    (日本語版2019年1月号)

  • 税に対する怒りの根源  ―― 庶民階層と税の不公平
    アレクシス・スピール
    去る11月にフランスで「黄色いベスト」を着た人たちが主に地方や都市周辺で自動車燃料税に反対して立ち上がったのは、政治組織や労働組合の主導によるものではなく、自然発生的なものだった。この事件によって、税および社会システムに対して庶民階層が長い間抱いてきた不公平感が明るみに出た… 


  • “ジュジュ”の犠牲となったナイジェリア人少女たち
    マティルド・ハレル
    ナイジェリア人の売春組織が、中国や東欧の組織を超える規模でフランスに広がっている。ヨーロッパ中に見られる若いナイジェリア人女性は、よりよい生活をちらつかせる年上の知人女性の誘いに乗ってやって来る。フランスに到着した娘たちは渡航前に行われる儀式で与えられた小さな「オブジェ」の魔力に怯え… 


  • アジアの晴れ間(仏語版11月号論説)
    セルジュ・アリミ
    ブラジルで起きていることとは違い、保守派の大統領経験者たちが横領の罪で裁判にかけられ、刑を宣告され、刑務所に送られる国が存在する。その国では右翼や極右、それにプロテスタントの原理主義者らがドナルド・トランプ氏に裏切られたと感じており、イランとの核合意や、ロシアとの中距離弾道ミサイル条約を… 


  • アメリカの民主主義について(仏語版10月号論説)
    セルジュ・アリミ
    世界はいまだ米国政治との関係を断ち切っていない……。議会で与野党の逆転が起きた時でさえ、アメリカの中間選挙がその後の政情にとって決定的な要因になったことはめったになかった。たとえば1994年の中間選挙で共和党が圧勝したことで、民主党の大統領による厳しい刑事政策と自由貿易的な… 


    (日本語版2018年12月号)

  • 震えよ、魔女がやって来る!  ―― 復活したフェミニズムの象徴
    モナ・ショレ
    ルネサンス期のヨーロッパでは、何万人もの女性が「魔女」として処刑された。1970年代のフェミニストたちはこの「魔女」というアイデンティティを自分たちの象徴とし、時には自然界と結びついたスピリチュアルな儀式をその政治運動に加えた… 


  • ヨーロッパに押し寄せる移民の大波
    ブノワ・ブレヴィル
    ヨーロッパ大陸への移民の数は、2015年に比べれば大きく減少した。ところが2018年2月、地中海をはさむ彼我の人口動態の差から移民圧力は抑えようがなく、2050年にはヨーロッパの人口の4分の1はアフリカ出身者になるという著作が発表され、改めて議論を呼んでいる… 


  • カンボジアの首相が見る夢  ―― 禁止された反対運動と目覚めた若者たち
    クリスティーヌ・ショモー
    中国や日本などからの投資を受け、経済成長が目覚しいカンボジアでは、7月に国民議会選挙が行われた。33年間首相の座を守ってきたフン・セン氏は、反対勢力を強引に押さえつけ、再びその地位に納まった。戦争やクメール・ルージュを知らない若い世代の中に… 


  • チリのサーモン養殖の行く末  ―― 生態系保護か、それとも経済成長か
    セドリック・グーヴェルヌール
    世界で消費される魚の半分は今や養殖魚だ。ノルウェーとチリはサーモン養殖で成功し、多くの収入を得ている。サーモンは現在チリ第2位の輸出品となっているが、漁業資源の枯渇への対策としてこの国が導入した大規模養殖は… 


  • 社員を苦しめるマネジメント  ―― フランス・テレコム元経営者の裁判を控えて
    アラン・ドゥノー
    給与生活者は矛盾に満ちた環境を生きている。企業と労働契約を結んで働くことで、生計が安定し毎日を平穏に過ごせるかと言えばそうではない。採用されるや否や猛烈に働かされ、個人の創造力やイニシアティブを発揮することは期待されず、ひたすら収益を挙げるため… 


  • せっかちな観客
    ジェラール・モルディラ
    今日、映画館で観客は男性も女性も先を急いでいる。映画は、最初の映像からアクションシーンで始まり、機関銃のような速さでシークエンスがつながり、ハチドリの羽ばたきのごときテンポで次々とカットが展開されなければならず… 


    (日本語版2018年11月号)

  • 電気自動車、新たな資源・環境問題と中国の台頭  ―― 技術革新と地政学の急変
    ギヨーム・ピトロン
    資源・環境問題への切り札として「熱狂的に」歓迎され、電気自動車への転換が急速に進もうとしている。しかし、実はあまり目立たないところで、このことが新たな資源・環境問題、さらには地政学上の大きな問題を引き起こしている。これを戦略的に利用し、世界経済での存在感を高めようとしているのが中国であり… 


  • “珊瑚の空母”、チャゴス諸島  ―― 米軍によって奪い取られた島
    アブデルワハブ・ビアド&エルサ・エディナック
    インド洋の真ん中に浮かぶチャゴス諸島。南側に位置するディエゴ・ガルシア島には、ここを領有するイギリスとの秘密協定によって租借権を獲得したアメリカの軍事基地が置かれている。辛い境遇に置かれたのはそこから追いやられた土着民たちだ… 


  • 奪われた議論——予防接種の義務化をめぐって
    レイラ・シャシャアニ
    2018年1月1日以降、フランスで生まれた子供は2歳以前に11種類もの予防接種を義務付けられることになった。予防接種の効用のみを説き、科学的知見に基づいた議論や政治的討論を避けようとする政府の姿勢に対し、一般市民や研究者からは疑問の声が上がっている… 


  • トラック運転手  ―― 消えつつあるアメリカの象徴
    ジュリアン・ブリゴ
    アメリカという国を支える多くのトラック運転手。最も一般的な職業の一つであり、映画や小説などを通じてこの国のシンボルにもなっているが、彼らの労働条件はますます悪化しているようだ。今や、アメリカ産業界はトラック運転手不足に直面し… 


  • カール・マルクスと自然の搾取  ―― エコ社会主義、遠くからやって来た観念
    ジョン・ベラミー・フォスター
    長らくマルクスはエコロジーに対して無理解な思想家だとみなされてきた。だが、米国の知識人ジョン・ベラミー・フォスターはマルクスの世界観が体系的にエコロジー的であり、そのエコロジー的見方がマルクスの唯物論に由来していると主張する。 


  • 民衆のフランス史
    ジェラール・ノワリエル
    百年戦争から現代にいたるまでのフランスの歴史上、中世、近代、現代のそれぞれにおいて、支配階級によって庶民階層がどのように扱われてきたかに焦点を当てて描き出す。 


    (日本語版2018年10月号)

  • 豚も牛も鼠も、法廷へ出頭せよ!  ―― 動物に市民権はあるか?
    ローラン・リツェンブルジェ
    現代では、人間が動物をペットとして飼う場合、彼らの行動に注意を払う必要がある。飼い犬が子どもにかみつけば、その責任は飼い主にあるとみなされるだろう。場合によっては、その飼い主は裁判所に出廷することにもなる。ところが、中世ヨーロッパにおいては… 


  • ユダヤ人支配国家をめざすイスラエル  ―― クネセトの歴史的決議
    シャルル・アンデルラン
    7月19日にイスラエル議会クネセトがイスラエルをユダヤ民族の国家とする決議を採択した。アラブ人等の非ユダヤ人国民のみならず海外在住のユダヤ人世界からの非難にもかかわらず、国内のユダヤ人の多数はネタニヤフ首相のこの政策を支持して… 


  • 計算された自由化に揺れるサウジ女性
    フロランス・ボージェ
    この6月、サウジアラビアで長年禁止されてきた女性の運転が解禁となった。こうした女性の解放政策を主導するのはムハンマド皇太子だ。イエメンとの戦争の泥沼化とイランとの対立があるなかで、女性をとりまく環境の改善への努力を西側諸国にアピールする狙いが… 


  • 2013年8月31日の寓話(仏語版8月号論説)
    セルジュ・アリミ
    この5年、国際関係史に関する一つの解釈が西側のすべての政府で幅をきかせてきた。それはしつこく何度も繰り返されることでまるで公認の宗教になった。その解釈とはつまり、2013年8月31日、化学兵器を使用してダマスの街角を爆撃した罪に問われたシリア軍への攻撃を先送りした…


  • 評点化される社会に生きるということ  ―― 何がどうやって知られているのか、わからない世界
    フランク・パスカーレ
    ビッグデータに関しては、データの収集段階、データ解析に基づく人々の種類分けの適用、得られたデータの悪用など、ビッグデータのあらゆる側面に対し、政府の明確な規制が必要だ。個人ひとりで立ち向かえる闘いではない。


  • ヴェジタリアンの豚肉屋の時代  ―― 動物に市民権はあるか?
    ブノワ・ブレヴィル
    西欧をはじめとする世界の一部の国々では、動物保護を訴える運動が拡大していると同時にヴェジタリアンの数も増加している。栄養面や環境問題に対する配慮に加え、動物の苦しみへの敏感さが「肉を食べなくても暮らしていける」という考えを広めているようだ。しかし一方で…


  • 諦めと無力感に陥った人々を奮い立たせる  ―― フランスにおける不服従の選挙運動
    フランソワ・リュファン
    2017年5月、エマニュエル・マクロン氏が仏大統領に選ばれ、その数週間後に行われた国民議会議員選挙でもマクロン陣営が大勝利した。ところが、ソンム県ではあらゆる予想に反し、左派のフランソワ・リュファン氏がマクロン陣営の立候補者にも、国民戦線を率いるルペン陣営の…


  • トランスヒューマニズム思想の成立ち  ―― AIの発達と人類滅亡の危機?
    シャルル・ペラガン&ギヨーム・ルヌアール
    人工知能の発達は、それが人間生活を豊かにするという期待とともに、いずれ機械が人智を越え、人間が機械に支配されるのではないかという恐怖を与えている。トランスヒューマニズムという言葉が、人類の将来にこうした終末を…


  • ピエール・ラビのシステム  ―― 幸福で簡素な生活の勧め
    ジャン=バティスト・マレ
    合理主義的な現代社会のあり方を批判する農民思想家のピエール・ラビは、人々に自らが生き方を変えない限り社会は変わらないと、「幸福で簡素な生活」を勧め、ハチドリのようにコツコツと自分の役割を果たすことを訴える…


  • アフリカの悲惨なサッカー事情  ―― 不安定に耐えるか、外国へ逃げるか
    ダヴィッド・ガルシア
    2018年のワールドカップ・ロシア大会では、アフリカ大陸の5カ国全てがグループリーグで敗退し、決勝トーナメント進出を前に姿を消した。サッカー選手ということばからはしばしば裕福さを連想させるが、アフリカにおいては必ずしもそうではない…


    (日本語版2018年9月号)

  • アグロインダストリーを後退させるモザンビークの農民たち  ―― 将来の発展に見せかけた土地の占有プロジェクト
    ステファノ・リベルティ
    ブラジルのマト・グロッソ州での成功経験をもとに、同じ熱帯サバンナ地帯のモザンビークで単作大規模農業を再現しようとしたプロサバンナ計画。日本とブラジル、モザンビークの政府や企業家たちの思惑が絡まりあったこの計画は、農民たちの前代未聞のレジスタンスに…


  • 人智学と秘教主義の見えざる帝国
    ジャン=バティスト・マレ
    オーストリア人のルドルフ・シュタイナーが1913年に創始した「人智学(アントロポゾフィー)」。教育や農業分野で良い評判を得ているその思想は、さまざまな分野において世界中に広まっている。化粧品や医薬品の販売、学校や銀行の運営…


  • そして欧州はコンポステーラの巡礼路を創造した
    ローラ・パッラ・クラヴィオト
    スペインのガリシア州にある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラにつづく巡礼路は、毎年、数十万人の巡礼者で賑わっている。この成功をもたらしたのは欧州評議会だ。彼らは、ローマ教皇レオ13世とヨハネ・パウロ2世が独裁者フランコと…


  • 人間と動物の境界  ―― 動物に市民権はあるか?
    エヴリン・ピエイエ
    デカルト以来、人間は、理性、言語、思考能力があるという理由で他の動物に対して優越した地位を享受してきた。近年、そうした能力は程度の差こそあれ他の動物にも備わっているとして、より公平に、痛みや喜びを感じる能力を「人格」の基準にすべきだという…


  • 王子様の気まぐれ(仏語版7月号論説)
    セルジュ・アリミ
    エマニュエル・マクロン氏はほとんどすべてのフランスメディアの協力を得てやすやすと共和国大統領に選ばれたが、議会多数派であることを利用して、選挙期間中の「フェイクニュース」拡散を防止するための法律を[議会で]通過…


  • 韓国、文在寅大統領の太陽政策  ―― 北朝鮮の非核化に向けた狭き道
    マルティーヌ・ビュラール&スン・イル=クォン
    トランプ大統領と金正恩氏の会談が2018年6月12日に行われ、両国の外交交渉が始まった。当記事は、一旦同会談の中止が表明された直後に掲載されたものであるが、関係各国の交渉姿勢について引続き示唆に富む内容に…


    (日本語版2018年8月号)

  • 福島原発事故から7年  ―― 日常になりつつある悲劇
    フィリップ・パトー・セレリエ
    地震、津波、そして原子炉3基の炉心溶融とそれにともなう爆発。日本は現在もまだ2011年3月に連続して起きた破局的な出来事に苦しんでいる。あの瞬間に、たくさんの人も物質も、波が奪い去った。…


  • シャガールにとっての革命
    リオネル・リシャール
    芸術的側面からロシア革命を考えたときに、マルク・シャガールという名前はすぐに浮かばないのではないだろうか。1919年、シャガールは故郷ビテプスクに学校を設立し、人々が芸術と触れ合う場を作ることに情熱を注いでいたが、次第に前衛芸術が目指すものに違和感を感じるようになる。愛、夢、幻想といったイメージを描き出した画家という一面がある一方、ユダヤ人という出自や、裏切り、戦争、革命への落胆…


  • 権利はもう“人類”だけのものではない  ―― 動物に市民権はあるか?
    ジェローム・ラミー
    これまで動物を「動産」としてきたフランス民法典も、ようやく2015年には「知覚能力のある生物」として認めた。豊かな国々では、人間との関係において動物の位置づけが重視されるにつれて「動物法」が整備され始め、「動物の権利」が定義され…


  • 「ミャンマーの春」の終焉  ―― 密かに行われる虐殺
    ギヨーム・パジョ
    アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟が政権を握ってから2年が経った今、ミャンマーでは表現の自由が脅かされている。ラカイン州では軍によるロヒンギャへの民族浄化作戦が行われた。政府や軍を批判すれば脅迫される…


    (日本語版2018年7月号)

  • ヨーロッパの人口大変動  ―― ベルリンの壁崩壊後の風景
    フィリップ・デカン
    ヨーロッパの人口は全体的には緩やかな減少傾向にあるが、詳しくみると、地域によってその変動の内容は異なる。ひとりの女性が一生のうちに産む子どもの数を示す出産率は、単なる出産奨励策によるのではなく、経済的・社会的な環境の所産であり、家族や女性の…


  • 図書館で快適なお昼寝を
    エリック・デュセール&クリスティーナ・イオン
    今日の図書館は、アメリカでもフランスでもその費用の正当性に疑問が投げかけられ、「社会的有益性」が問われている。その役割は、現代社会の“需要”に応えることに次第にシフトし、ほかならぬ「図書館」という概念そのものが実際に塗り替えられつつある…


  • トランプにおもねるEU(仏語版6月号論説)
    セルジュ・アリミ
    エマニュエル・マクロン、アンゲラ・メルケル、ボリス・ジョンソンの欧州指導者三人は、ドナルド・トランプに対して、ご機嫌取りのお願いと愛情表現を示したが、何の役にも立たなかった。米国大統領は三人に対して侮辱することで反撃…


  • 忘れ去られた中国人労働者たち
    ジョルダン・プイユ
    1917年2月17日、マルタ島の近くでフランスの大型客船「アトス」がドイツの潜水艦によって魚雷攻撃を受けた。亡くなった754人のうちの大多数は中国人だった。第一次世界大戦中にフランスや英国に渡った多くの中国人農民たちは低賃金で雇われ…


  • フェミニズムの夜明け
    マリオン・ルクレール
    フェミニストの先駆者であるメアリ・ウルストンクラフトは、フランス革命をきっかけにイギリスで急進主義と結びつき、専制主義批判という観点から女性への抑圧に関する省察を行い、生涯にわたり自由主義思想を掲げた…


  • ナクバに悩まされるイスラエル  ―― 1948年のパレスチナ人追放:イスラエル建国譚のブラックホール
    トマ・ヴェスコヴィ
    本年5月にはイスラエル建国70周年を祝う数々の式典が始まったが、パレスチナ人にとっては、1948年に故郷を追われた悲しみを新たにする機会だ。追放されたパレスチナ人とその子孫たちは…


  • “不安の市場”にさらされた学生たち  ―― 解体されるフランスの公益
    アナベル・アルシュ
    2017年末、フランスでは中等教育と高等教育の「改革」がマクロン政権によって打ち出された。バカロレア改革と大学の入学選抜基準の導入は教育の機会均等の原則に反するとして、3月末以降、多くの学生が…


  • フランスの協同組合は雇用を救済するか?  ―― 社会的連帯経済の効力と限界
    シャルル・マチュー
    会社の倒産を避けるために、賃金労働者たちが会社を協同組合形式で引き継ぐ選択をし、経営に力を尽くしている。それが平坦な道のりではないことは、カルカソンヌやジェムノの象徴的な戦いが物語っている…


    (日本語版2018年6月号)

  • 68年5月、大海の希望(仏語版5月号論説)
    セルジュ・アリミ
    それはこの国の人々の生涯において貴重な瞬間だった。社会の既成概念という重しがとれたのだ。突然、これまで諦めていたことや慣習だと思っていたことについて立ち止まって考えてみるようになり…


  • 殺しのライセンス(仏語版4月号論説)
    セルジュ・アリミ
    警察は、捜査にはまだまだ数カ月はかかると発表したが、英国のテリーザ・メイ首相は容疑者を既に特定してしまった。セルゲイ・スクリパリ氏の殺害命令は、クレムリンから発せられたのだと。…


  • 痛みと犠牲体験を語れるのは誰か?  ―― 階級問題から人種差別へ ずらされた闘争の焦点
    ウォルター・ベン・マイケルズ
    1955年に惨殺された黒人少年エメット・ティルを描いたデイナ・シャッツの美術作品が憤激を巻き起こした。白人アーティストが黒人の痛みをテーマにした作品で利益を得るのは文化の盗用だとする批判…


  • 催涙ガス、そして流された金の泪  ―― ドイツ軍の塹壕(1914年)からノートル=ダム=デ=ランド(現代)まで
    アンナ・ファイゲンバウム
    フランスでは今、空港建設に反対するノートル=ダム=デ=ランドや、大学入学者選抜制度への反対運動が起こっているパリのナンテール大学などで催涙ガスが盛んに使われている。「平和のためのガス」と言われるこの化学製品が、業界の巧妙なマーケティング…


  • ロシアが近東で求めるもの  ―― 軍事的には成功、地政学的には頭痛の種
    ニコライ・コザノフ
    ロシアは、2015年のシリアへの軍事介入以来、アサド政権を支援し、反体制派からの失地回復も実現している。イラン、トルコ、サウジアラビア等これまで交渉の場に呼ばれていなかった関係諸国との…


  • “統合”という大いなる妄想  ―― アイデンティティをめぐるフランスの論争
    ブノワ・ブレヴィル
    「イタリア人、ポルトガル人、ポーランド人は、マグレブ人やアフリカ人と比べると“違いがより小さい”ためフランス社会に同化しやすかった」 —— そんな主張がフランスで昨今広まったようだ。統合の問題は、民族や宗教…


  • 中東欧の選挙民に取り憑く「汚職蔓延」イメージの陥穽
    べンジャミン・カニンガム
    2017年秋のチェコの総選挙では、ビジネス界出身で富豪、政治経験の浅い右派のアンドレイ・バビシュ率いる政党「ANO2011」が第1党に選ばれ、バビシュは首相に就任した。既存政治の腐敗がバビシュ得票のと言われたが…


  • 個人認証データ管理に潜むリスク  ―― 生体認証と社会統制
    フランソワ・ペレグリーニ & アンドレ・ヴィタリス
    フランスでは、個人の身元特定データの電子化と国による一元管理が進められようとしている。この政策により、いつでもどこからでもデータを瞬時に検索でき、なりすまし犯罪の防止に役立つ一方で…



    (2018年5月号)
  • インドの使用人たちの反乱
  • 同性婚がアジアに上陸する
  • 遠洋航海不能のトランプ外交
  • なぜ有機農産物を食べるのか?
  • 圧力と自由な表現のはざまで——チュニジアのラッパー
  • 消え去るものを形に残すホワイトリードの彫刻作品
  • 新自由主義的改革の襲来
  • 魚を巡る愉しみ
  • 経済版「神聖ドイツ帝国」

    (2018年4月号)
  • ペンダゴンの「役に立つ馬鹿」
  • 前提条件なしの北朝鮮政府との交渉  ―― 事実上の核保有国
    マルティーヌ・ビュラール
    かつてドナルド・トランプ米大統領は国際連合の演壇で、北朝鮮から攻撃を受けた場合には「この国を完全に破壊する」と宣言していた。フランスやロシアの指導者たちは核計画の中止を交渉の前提条件とする北朝鮮との対話を訴えたが、そうしたアプローチは…


  • アルテのロシア攻撃——再びの冷戦
  • 遺伝子組み換え作物に対する中国のジレンマ
  • 労働法を根本から問い直す
  • ハーヴェイ・ワインスタインの没落
  • アルプスの人々に見放される冬季オリンピック
  • パレスチナの若者はくじけない


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